コヒレント社(米国カルフォルニア州サンタクララ:NASDAQ上場)は、2013年5月13日産業用全固体ピコ秒レーザTaliskerシリーズに高エネルギーモデルTalisker HEをラインアップした。この新モデルは、厚い材料に対するドリリング、切断、スクライビングなどの応用拡大をターゲットにしている。
Talisker HEには3種の単一波長モデルがあり、用途に応じ最適なモデルを選択できる。3種のモデルとは、IRモデル (波長:1064 nm、パルスエネルギー:>180 μJ)、Greenモデル(波長:532 nm、パルスエネルギー:>100 μJ)、UVモデル(波長:355 nm、パルスエネルギー:>30 μJ)である。本モデルは自動車、医療、電子部品などの製造や、モバイルディスプレイ、三次元半導体パッケージなどの製造工程で求められる高スループットかつ精密加工を実現する理想的な光源である。
Taliskerシリーズは、産業用ピコ秒レーザとして、従来のパルスレーザや機械加工に比べ高品位な加工ができる。ピコ秒レーザは、熱影響(HAZ)とデブリを極力抑えた、いわゆる"コールドアブレーション"加工が可能で、その結果、加工品質が大幅に向上する。コールドアブレーションは、レーザビームの強度がアブレーション閾値を超える時に発生する。Talisker HEシリーズは、他のTaliskerモデルよりもパルスエネルギーが高く、それゆえに集光ビームの深さが深く、厚い加工材料に対しても、デブリを抑えたコールドアブレーションが可能になる。
高エネルギーパルスは様々な材料加工に有効であり、シングルショットパルスでのテーパー角を抑えたパーカッション加工に効果を発揮する。また、高アスペクト比を維持したままでの、深溝掘りやトレパニング加工が可能になる。さらにTalisker HEは優れたビーム位置安定性を特長としており、ビーム位置安定性は、厚い材料の孔あけ用途などで非常に重要なパラメータとされている。また厚い材料の加工全般においても、高いパルスエネルギーとビーム位置安定性の両立が効果を発揮する。
主な仕様
Talisker HE | |||
モデル | 1064-10 | 532-6 | 355-2 |
波長 | 1064 nm | 532 nm | 355 nm |
平均出力 | 10W | 6W | 2W |
パルス幅 | <15 ps | ||
パルスエネルギー | %gt;180 μJ | >100 μJ | >30 μJ |
繰返周波数 | 50 kHz |
アプリケーション
- 厚い材料に対するドリリング、切断、スクライビング
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掲載日2013年5月14日