加藤恭義東工大元教授(平成21年3月末退官)は、低圧力損失、小型、高効率を特長とする新型マイクロチャンネル熱交換器を開発してきた。この研究成果を幅広く産業界に還元することを目的として、本年3月24日に、(株)MCX研究所(東京都目黒区大岡山2-5-10-105、電話:03-6459-5857)を設立し、最近、本格的な活動を開始した。
新型熱交換器(図1参照)は、流路をエッチングで形成するプレートフィン型であり、三次元熱流動計算機シミュレーションによりフィンの周辺部で渦の形成と剥離が起きない流路構造(図2参照)とすることで、同じ伝熱性能を維持して圧力損失は約1/3〜1/7に低減できるという見通しが得られた。この画期的な性能は、東工大において、ガスタービン発電サイクルの再生熱交換器と家庭用ヒートポンプ式給湯器(エコキュート)を想定したガス・ガスの間および超臨界二酸化炭素・水間の伝熱流動試験により検証された。新型熱交換器は、プレート間を拡散接合するため、母材の強度と耐食性が維持され、ステンレス鋼を材料として用いた場合、30 MPaまでの耐圧性と650℃までの耐熱性が容易に得られる。
この熱交換器は、火力・原子力・地熱・海洋温度差発電プラント、燃料電池、コジェネ設備、エコキュートなどの給湯器、空調機器、電子機器の冷却、石油・天然ガス・バイオマス化学プラント、廃熱回収設備等に利用が可能であり、小型化・高効率化により設備コスト低減、地球温暖化ガス放出量削減、燃料資源の有効活用等に貢献すると見込まれる。
(株)MCX研究所では、熱交換器は製造せず、適用する機器やプラントの要求性能や運転条件に応じた流路構造の最適化と熱交換器の設計を実施し、一つの事業分野に一社に限定して、製造ライセンスの供与を行う。また、超臨界二酸化炭素サイクルを用いた発電と廃熱回収などによる熱電併給および回収した廃熱と都市から発生する生ゴミや廃材からメタンやメタノールを製造するシステム構築にかかわるコンサルティング業務も行う。
掲載日: 2009.5.12
