気相化学種の高温熱容量

気相化学種の熱力学データが高温ガラス形成物質に関連して広範に研究されてきた。多くの場合、高温質量分析計を用いた測定から298 Kでのエンタルピー値のみ報告されている。 通常、気相化学種の熱容量は分子特性値から評価されるが、このように複雑な気相種については報告されているエンタルピー値の数に比較するとごく限られている。そこで、このような化学種に対して、極簡単な方法で熱容量を推算することにした。

  1. 文献
  2. 推算方法
    1. エントロピー
        上記の生成反応式のエントロピー変化は、この量が金属元素の半径に対してそれぞれの酸性蒸気の化学系ごとに緩やかに変化すると仮定した。よく研究されている既知の化合物の値から、適切な外挿法で推算した。

    2. 一例: 0.5A2O + 0.5N2O3(N2O5,B2O3,P2O3,P2O5) = ANO2(ANO3,ABO2,APO2,APO3)

        表 反応エントロピーの既評価と推算値(in J/K mol)
        赤字の値が既知評価値から推算された
        Alkali Radii ANO2(g) ANO3(g) ABO2(g) APO2(g) APO3(g)
        Li 0.76 14.34 -12 17.038 12 -11
        Na 1.02 -2.006 -13.436 8.508 -3.914 -12.634
        K 1.35 4 -8.492 12.357 2 -7
        Rb 1.5 10.43 -2.426 14.313 8 -1
        Cs 1.7 11.577 -1.825 12.708 9 -0.5


    3. 熱容量
        校正蒸気種の熱容量の和を採用した。
    4. 特徴
        このような仮定の結果、上記の生成反応のエントロピー変化は温度によらずに一定となる。

MALT 主メニュ   MALT コマンド   MALT ダイアローグ