MALT for Windows とは何か
関連: MALTで何ができるか
MALT for Windows は次のデータベースおよび関連するソフトからできています。
(1) MALTデータベース
MALTの主データベースは高温化合物および水溶液化学種の熱力学性質を格納しています。混合相は含んでいません。
(2) MALTデータ管理システム
熱力学データを取り扱う主要な機能を集めています。特に、いくつかの目的の異なるファイルを取り扱い可能で、ユーザーが必要に応じて保存・活用することができます。このようなファイルの活用によって、熱力学計算を行う前の準備を適切に行うことができます。
- ユーザーデータの管理
MALTデータベースを補完するために、MALTではユーザーが自分のデータを取り扱うことを勧めています。このユーザーデータテクストファイル (*.txt)は、MALT動作中に用意することもでき、MALT外でユーザーによって用意することもできます。このファイルはユーザーデータベース(*.udb)に変換されます。MALTデータベースに格納されているデータの修正・保存はこのようなユーザーデータを用いて行うことができます。典型的なサンプルファイル (User1.txt) が提供され、どのように編集するかが示されています。
- 検索
MALTデータベースならびにユーザーデータベースを検索の対象とします。検索の目的に応じて、異なる検索モードを選択することができます。最も典型的な例は、< Fe,O,H > と指定することでこのような元素系に含まれる全化合物を検索するものです。gemやCHDで便利なデータ集合・構成です。
- 計算
化合物の熱力学的性質あるいは反応に伴う熱力学量変化を表として提供します。
- 化合物システムの再編成
MALTは関連ソフトとして gem と CHD を提供します。このようなソフトに適した熱力学データセットを準備するために、混合相の再構成などの編集ができるようになっています。
- MALT以外のソフトへのデータ転送
再構成されたデータ、すなわち、化合物システムは3つの方法で他のソフトに転送できます。
- MALTダイレクト: 現在の化合物システム中の熱力学データを要求された辞典で転送します。
- 化合物ファイル (*.mcf): このファイルは化合物システムの構成を保存できます。このファイルを読み込めば、同じ化合物システムとその構成を再現でき、転送することができます。
- 化合物データファイル(*.mcd): 現在の化合物システムは化合物データファイルとして保存できます。MALT関連ソフト gem あるいは CHDから直接読み込むことができます。
(3) 応用アプリケーション
MALTではユーザーがそれぞれの目的のためにユーザー独自の応用プログラムを準備することを推奨しています。 MALTではユーザーが直接データベースにアクセスすることは認めていません。その代わり、ユーザープログラムから直接現在の化合物システムへあるいは化合物データファイル (*.mcd).にアクセスすることができる”MALTダイレクト”機能を提供します。 MALTではさらに複雑であるが有用な解析ができるソフトとして gem と CHDを提供しています。
gm
多元系での複雑な化学平衡尾計算を行うソフトです。温度、圧力、反応物の初期量を指定するだけでギブズエネルギー最小法で平衡状態を求めるものです。
CHD
多元系の化学ポテンシャル図を構築します。温度、元素化学ポテンシャルの値を指定するとともに、2次元あるいは3次元図の座標を化学ポテンシャルを用いて指定することで、安定相毎の安定存在域を図示します。典型的な例は、水溶液化学種と他の凝縮相との平衡関係を示すプールベ線図です。
(4) メニュ駆動型
すべての手続きはメニュの選択で駆動されます。通常、デファルト値が典型例として設定されているので、最低限の入力・選択で適正な結果が得られます。ここのダイアローグあるいはフォームにはデファルト値が初期設定されています。ユーザーの必要に応じてこの値は自由に変更できます。
MALTのメニュ MALTのコマンド MALTのダイアローグ MALTのファイル