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NaSiCon およびNa-Zr-Si-P-O 系の関連化合物

Nasicon 関連化合物を新たな実験値を元にして再評価した。

  1. 文献
  2. 評価
    1. Na-Si-P-O 系
        基本的に大きなデータの変更はない。

        図1 1000 K pO2 = 1 気圧での Na-Si-P-O 系のCHD線図

    2. Na-Zr-Si-O 系
        いくつかの化合物については生成エンタルピー変化がNBS表(文献1)に記載されているので、そのほかのデータは推算した。熱容量はそれぞれの構成酸化物の寄与の和を採用した。
      • Na2ZrSiO5 相は HGS がそろっているので、他のデータは Na2ZrO3-SiO2 系の相平衡を再現するように最適化した。
      • この評価中に、Na2ZrO3 の古いデータを用いると相平衡が良く再現できないので、より妥当塢な相平衡が導出できるように改良した。
      • Na6Zr2Si4O15 および Na14Zr2Si10O31相は低温で安定相として出現するように決定した。
    3. Na-Zr-P-O 系
        Na-Zr-P-O 系ではいくつかの化合物の値が入手可能である。
      1. Zr-P-O 系
          相平衡関係を再現するように熱力学的性質を評価した。 エンタルピー、エントロピー値は他のリン酸塩のデータを参考にして決めた(文献181)。
      2. Na-Zr-P-O 系
        • 組成が Na1+4xZr2-xP3O12 のシリーズは同じ結晶構造で、 NASICON 型と呼ばれる。
        • 270(a) and 270(b)に与えられているデータから、NaZr2(PO4)3 と Na5Zr(PO4)3 の熱力学データを決定した。 Na3Zr1.5(PO4)3 (Na2ZrP2O8) の熱力学データは270(d)で与えられている相平衡にフィットするように決めた。これらの化合物はNasiconの略記法では (123, 513, 212) に対応する。
        • Na-Zr-P-O 系 1000 K pO2 = 1 気圧でのCHD線図線図を以下に示す。270(d)の相関係と概略合っている。
        • 唯一の違いは Na2ZrO3 と(513)との体ラインに表れている。CHD 線図では Na2ZrO3 相が (513)相とは平衡にはない。


        図2 1000 K pO2 = 1 気圧での Na-Zr-P-O 系のCHD線図

    4. Na-Zr-Si-O 系
        文献270(d)のFig.4に示された相関係を再現するためにNa-Zr-Si-O系の熱力学的性質を再考し多少修正した。MALTでは Na2ZrSi4O12 のデータは欠落しているので、以下の図には含まれていない。

        図3 1273 K pO2 = 1気圧でのNa-Zr-Si-O系のCHD線図

    5. NaSiCon
        Na1.5Zr2Si0.5P2.5O12, Na3Zr2Si2PO12, Na3.5Zr2Si2.5P.5O12 の3相は1273 K で Na5Zr(PO4)3 および ZrSiO4 へ分解する反応に対して安定であるように推算した。文献162 の情報は無視した。


      図4 1273 K pO2 = 1気圧でのthe Na-Zr-Si-P-O系のCHD線図
      ZrO2(No.54), Na2O2(No.66), Na2ZrO3(No.76) は透明になるように表示されている。 Na1.5Zr2Si0.5P2.5O12(No.85), Na3Zr2Si2PO12(No.86), Na3.5Zr2Si2.5P.5O12(No.87) の安定域が Na5Zr(PO4)3(No.79) と ZrSiO4(No.62)相の間に出現している。

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