収束の困難な場合

gemにおけるギブズモードでは、アルゴリズムの性格上、気相種がまさに出現しようとしているがまだ 出現できないという状況では収束が非常に遅い場合があります。これは平衡蒸気圧がほぼ等しい気相種が数多くある場合特に はなはだしいと予想されます。

このような臨界的状況に対してはヘルムホルツモードによって平衡蒸気圧を求めそれらの和が外圧をこえるかどうかにより 気相種が出現するかしないかを判定して下さい。 この場合、指定体積を十分小さくとり固相種が気化しつくさないようにして計算しなくてはならないことに注意して下さい。
いずれにしろギブズモードの計算過程において気相種すべてが0になった場合、gemは方式上困難な 局面に立たされます。一応の回避策はとられていますが、完全とはいえないため、このような結果を得た場合はヘルムホルツモード による検証をすべきと思われます。
もしヘルムホルツモードにより気相種の出現が予想されるのにギブズモードではすべて0となってしまうケースに遭遇した場合は 科学技術社までご連絡下さい。今後の参考とさせていただきます。

混合相についても同様の収束困難な状況がギブズモードでもヘルムホルツモードでも生じる可能性があります。 このような場合計算打ち切り回数Number for Too Many Rounds (デフォルトは100)を 増やしてみることもできます。

もうひとつの方法は温度、圧力、モル数などの諸条件を少しふらしてみることです。その前後の 結果からその付近で何が起こっているかを知ることができます。