化合物ファイル (*.mcf)
- 概要
MALT for Windows では、化合物セットを集合として検索することを勧めています。検索された化合物は、状態別に、気相、水溶液化合物、液体、固体などの凝縮相に分けて配列します。また、データ変換機能を用いることで、複数の液体からなる液相理想混合体、同じ結構構造で構成される理想混合体などを指定することができます。いわゆる、Ideal association solution model(理想会合溶液モデル)を前提にしています。このような修正を含めて、保存することができます。
- 使い方 保存、読み込み
- MALTオプションフォームースクリーン制御で「前回終了時の化合物表の表示」にチェックしておけば、セッションの終了時に現在の化合物システムの検索・編集・変換の結果を、特定のファイルに保存し、次回開始時にそのファイルを呼び出して、前回終了時の化合物表を再現します。
- 更に、ユーザは現在の化合物システムの編集・変換状態を化合物ファイルとして保存することができます。このファイルはバイナリー形式ですので、ユーザは中を見る必要はありません。この化合物ファイルを呼び出すと、保存したときの化合物システムの状態が再現できます。
- ユーザーが頻繁にユーザーデータベース中の化合物データを変更することがありえるため、化合物ファイル中のユーザーデータは注意深く取り扱う必要がある。化合物ファイルに保持している情報が現在利用できるユーザーデータベースに格納されている情報と整合しないこともありえる。MALTでは整合性を保持するために次のような手順をとる。
- 化合物ファイルに保存されているユーザーデータベース名と保存年月日をチェックし、変更が認められない場合には、次に進む。
- ユーザーデータベースのファイルが存在するが、保存年月日が更新されていて、変更が示唆された場合には、続行するかいなかの問いが発せられる。
- ユーザーデータベースのファイルが存在しない場合、新たなファイルを探すか、問われる。
- いいえ 回答: 化合物ファイルを読み込む手続きは中断され、元の状態が復元される。
- はい 回答: 指定されたユーザーデータベースから、化合物ファイルに掲載されている化合物名を用いて、新たに検索し、一致する化合物を探す。
- 一対一の対応がとれた場合には、作業を継続する。
- 複数候補が見いだされた場合あるいは、候補が見いだされない場合には、
ユーザーデータの確認フォーム が現れ、
ユーザーにこの不一致を是正するように促される。
- 使い方 アプリケーションからの利用
- この化合物ファイルは、化学平衡計算ソフト、gem, 化学ポテンシャル図構築ソフト,CHD, に必要とされる熱力学データを提供する機能MALT Directの基礎となるので、一度検索・編集・変換して保存しておけば、gem あるいは CHD で再び計算を行うときに以前調整した化合物の選択、データ変換の内容から再開できるので、非常に便利です。
- 具体的には
- 調整した化合物表を化合物ファイルに保存する。
- gem、CHDなどを利用するときには、この化合物ファイルを読み込む。
- ツールメニューでgem, CHDを起動するときに、実行時引数として、 "/md" を選択し、MALTダイレクトを作動させる。
- 応用
- 更に、gem,CHDでは、計算を行う上での条件設定を用いるデータとともに保存する機能も提供しています。この時に用いられる化合物データファイル(*.mcd)は、化合物ファイルと異なるデータ形式をしています。熱力学データを内蔵しているので、一度行った計算を完全に再現することができます。
- gem,CHDの高度な使い方をしたいユーザーは、是非、このデータファイルの使い方を覚えてください。
- この化合物データファイルを保存するとともに、対応する化合物ファイルを保存しておくこと便利です。
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