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作図例: DFT計算結果の可視化 (Li-Fe-P-O 系)

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(1) 材料化学でのDFT計算の利用

(2)DFT 結果の *.abs ファイルへの変換

(3) DFT値の可視化


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      図 1   図 2   図 3   図 3a    
      (1) Li-Fe-P-O 系の3次元化学ポテンシャル図


        図 1 表示されている座標として Fe P Oを使用した図:比較 作図例9b図1a
        • Fe-P-O 系に対応する3次元図。 FeとPとOから構成される化合物が認められる。
        • 文献の表1には P4O18 がリストされている。図の右側に安定相として現れるが 何かのミスタイプかミスプリントであろう。以後のこの相は無視する。
        • Fe-O 系で、FeO が安定相として現れるが、 この相は高温でのみ安定として認識されている。
        • Fe-P-O 系では多くの3元系化合物が現れ、化学ポテンシャル図上の 特徴として、同じ(鉄の)価数をもつ化合物は平行に現れるという傾向を示す。
        • Fe2O3-P2O5 系列では 46 Fe(PO3)3, 41 FePO4 および 44 Fe4(P2O7)3 が現れる。
        • FeO-P2O5 系列では 47 FeP4O11, 45 Fe2P4O12, 40 Fe2PO7, 38 Fe3(PO4)2 および 36 Fe4(PO4)2O が安定相として現れる。
        • 二つの系列の間で、いくつかの混合原子価の化合物が現れる。これらは、 43 Fe3(P2O7)2 と 39 Fe7(PO4)6 である。

      (2)Li-Fe-P-O 系の3次元化学ポテンシャル図


        図 2 座標としてLi, Fe, Oを持つ図: 比較 9b図1b
        • Li-Fe-O 系には、三つの3元化合物が安定相として現れる。
        • Fe2O3-P2O5 系では、 30 Li5FeO4 と 29 LiFeO2 が現れ、更に 28 Li3Fe5O8 が 29 LiFeO2 と 7 Fe2O3 の間に現れる。
        • 索引には、安定相がリストアップされている。                 安定相として表示されている4元化合物は 48 LiFePO4 (c), 49 Li3Fe2(PO4)3 (c), と 50 LiFeP2O7 (c) である。 しかしながら 51 LiFeP3O9 (c) と 52 Li9Fe3(P2O7)3(PO4)2 (c) は現れていない。
        • 他のいくつかの相が不安定で現れていない。 それらは 12 FeP (c), 13 FeP2 (c), 19 P4O7 (c), 20 P4O6 (c), 22 LiP5 (c), 26 LiFeP (c), 27 LiFe5O8 (c), 34 Fe9(PO4)O8 (c), 35 Fe3(PO4)O3 (c), 37 Fe2PO4O (c), 42 Fe7(P2O7)4 (c),

      (3) Li-Fe-P-O 系の3次元化学ポテンシャル図


        図 3a 座標軸 U(O2)、U(Li)、{U(P)-U(Fe)}を持つ図: 比較 9b図2
        • 座標軸として U(O2) U(Li) および U(P)-U(Fe) が採用されている。 このプロットでは、Li-P-O 系の相平衡が正面に現れ、 Li-Fe-O 系の相平衡が後方に位置する。
        • Li2O-P2O5 系列では、三つの複合酸化物が安定ある。 それらは 31 Li3PO4, 32 Li4P2O7 と 33 LiPO3.
        • Li-P 系列では, 21 LiP7, 23 LiP, 24 Li3P7, 25 Li3P が安定である。


        図 3b 座標軸 U(O2)、U(Li)、{U(P)-U(Fe)}を持つ図:拡大版
        • Li-Fe リン酸塩と他の相との間の相平衡を見るには、 いくつかの相を透明にする。その化合物は 4 Li, 5 Li2O, 6 Li2O2, 31 Li3PO4, 32 Li4P2O7, 33LiPO3.
        • 三つの4元化合物が安定である。 48 LiFePO4, 49 Li3Fe2(PO4)3 と 50 LiFeP2O7.

  2. 説明
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    1. 熱化学的ネットワーク整合性に対する要求
      • DFT結果が与えられている化合物は48ある。 他方で 38化合物が図中では安定な化合物として示されている。
      • 5つの4元化合物の内、三化合物が安定である。
      • この原因の一つは、観測されている相平衡を再現するには、非常に精密なデータが必要である。        与えられた組成で、安定な相として存在するには非常に狭い範囲のエネルギーしか許されない。         化合物の構成元素数がふえるに従って、その範囲は更に狭くなってくる。 データとしては正確(accurate)であると同時に精確(precise)でなければならない。
    2. 電極反応に関連した相平衡
        残念ながら、電極関連物質間の特徴をグラフからは読み取ることができない。作図例9bと比較してほしい。

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(4) データソースファイル
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lifepo.abs ファイルのソーステキスト

  1. 第1行は、空間の次元数を与える。今の場合、4である。それぞれの次元の名前を与えることができる。
  2. 2合目から13行までは、4次元の基本的な情報を化合物情報と同じ様式で与えている。
  3. 各化合物の第1行目は化合物の名前である。
  4. 各化合物の第2行目は4次元に対する化学量論数である。
  5. 各化合物の第3行目はDFT計算結果のエネルギー値が eV の単位で与えられている。.

ファイル:lifepo.abs