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プールベ線図は如何に構築されるか?
CHDでは次の様な場合に伝統的なプールベ線図を構築することができます。
- M-O-H 水溶液系
- および M1-M2-O-H 水溶液系
作図法として 一般化された化学ポテンシャル図を構築するアルゴリズムと同じものが採用されます。CHDマニュアル付録にどのようにプールベ線図を構築するために条件設定するかが記述されています。このような設定は本バージョンでは、自動的に行われます。
プールベ線図については
- 長年広く利用されてきたため、構築法は良く検討され計算手続きについてもよく整理されていること
- 他方、関連する熱力学データの蓄積は主に室温で行われてきたこと
が認められるので、CHD では次のような基本的な考え方を採用しました。
- 自動化: 室温での典型的な図の場合には、最小の入力で自動的に構築する。
- 修正: ユーザーは必要に応じて作図条件を変更することが出来るとともに、一般化された化学ポテンシャル図のひとつとしての電気化学ポテンシャル図として種々の作図条件で図を構築することができる。
自動構築は次のような場合に可能となります。
- 特定元素(M)に関する室温プールベ線図は次のことに基づいて作図されます。
- 選択すべき項目のほとんどは、格納されているデータから自動的に設定されます。
- ユーザーがすべきことは、MALTの検索画面で水溶液のチェック箇所にチェックをいれて元素. M, を選択します。
- M-O-H 系の化合物データを得た後、MALTのメニュで ツール > chd を選択します。
- CHDへのデータ転送が自動的に行われ、CHDが起動した後、このデータを読み込みます。読み込んだデータが水溶液であることが判定出来れば、直ちにプールベ線図の構築を開始します。作図された図は表示されます。
- 室温での多元系(M1 と M2)の図も同じく次の様に自動的に構築されます。
- 多元系のオプションも格納されたデータから自動的に設定されます。
- MALTにおける元素検索で、水溶液オプションにチェックを入れ、M1 と M2 を選択します。
- M1-M2-O-H 系のデータを取得した後、MALTのメニュでツール > chd を選びます。
- データ転送が自動的に行われ、CHDが起動します。転送されたデータが水溶液系のものであることが分かれば、プールベ線図の自動構築が開始され、作図された結果が表示されます。
- この多元系では, 表示対象となる元素をM1 と M2 から選ぶ必要があります。
対象となる元素を含む化合物/化学種は常に図中に表示され、対象元素含まない化合物/化学種は表示すべき多角形の枠を除いて透明に表示されます。
既定値の設定では、NBS順の大きい元素が選ばれます。すなわち、M1-M2-O-H 系として表示された時のM1に対応する元素です。
既定値の設定を修正 することができます。
- 図表示範囲 : 縦軸、横軸の範囲を任意に選択することができます。
- 表示対象とすべき化合物/化学種 : 2段階で行うことができます。
- 状態による一括指定 : 通常水溶液化学種は含まれています。凝縮相を入れれば、凝縮相と水曜鋭気化学種間の平衡を構築できます。凝縮相を除くと、水溶液化学種の中で最も安定に存在する化学種を表示する安定線図(predominance area diagram)となります。
気相化学種を入れると、気相化学種が安定となる点(線)で図が切断されます。
- 個別の化合物/化学種の選択 : 考察すべき任意の化合物/化学種を化合物リストを用いて選択します。
- 水溶液化学種あるいは気相化学種の活量の選定
- 現在、この選択は、水溶液化学種あるいは気相化学種を指定して活量を決めると全てのその状態の化学種の活量が同時に決定します。
- 通常、水溶液溶媒に関係する化学種(H、O、電荷から構成される)は活量1に固定されています。
- 表示に関する対象元素の変更 : 対象元素を含まない化合物は透明化モードで表示されるが、対象元素を含む化合物は正常に表示される。
図を操作する通常の手続きに加え、プールベ線図に関して次の様な便利な操作があります。
- 酸素/水素発生に対応する平衡線が元の多元系多面体に対する 一断面として準備されています。 この断面機能は断面の線に沿ったプロファイル図を提供することができます。既定値の設定では、この機能は封印されています。プロファイル線図を作成するように変更することができます。この機能の例が作図例に載っています。
- 採用した断面に用いる値がどのように対応するプロファイル線図に影響を与えるかを知るには、断面手続きに関連した断面走査 機能が便利です。
- プールベ線図は一般化された化学ポテンシャル図の一つとして構築されていますので、プールベ線図と他の一般化された図とを比較するのは簡単です。