プラットフォーム

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プラットフォームは平衡点1点の計算を行うフォームで以下に述べるような詳細情報を保持しています。 メインシートにおいてRunおよびRun 1 Case により連続してあるいは単一Caseの計算を行う場合も各Caseの計算を実際に行っているのはこのフォームです。 さらにプラットフォームはそれ自体としてユーザーインターフェースを有する計算ユニットとなっており 化合物データの有効温度範囲を意識したきめの細かい設定を含めて計算を実行することができます。
メインシートからの計算実行の場合は指定温度が各化合物の有効温度範囲を超えてもデータは外挿されて 常に全化合物が計算対象とされます。しかしプラットフォームではある化合物データの有効温度範囲を超える指定温度 が与えられた時に、データを外挿してその化合物を平衡計算に含めるかあるいは含めないで考慮対象外とするかの設定が可能です。

プラットフォームの右側には一連のボタン、エディットボックス、ラジオボタンがあり計算条件の設定が可能です。 また計算実行とその結果のソート出力もプラットフォーム自体から可能です。 右下にあるテキストボックスとstopボタンについてはEngine Monitor シートを参照して下さい。

プラットフォームには4枚のシートがあります。
Main Operation シート
Stoichiometry シート
ThermoData シート
Engine Monitor シート

Fig.5A  : プラットフォーム/ Main Operation シート

Main Operation シート
'Initial'列はCasesに相当し、'Last'列はResultsシートにまた'Activity'列はActivitiesシートに対応します。 従って'Initial'列に初期モル数を入力し計算結果は'Last'列および'Activity'列に格納されます。

計算指定温度がある化合物のデータの有効温度範囲('Database and Temp.Range'列に表示されています。--単位は常にK)を 超えたときその化合物を外挿データを使ってでも計算対象に含めるかリジェクトするかは'ex'列で設定します。
'*'をそのセルに入れればその化合物は必要に応じて外挿データを使って常に計算対象に含められます(on)。 そのセルがヌル文字(セルの内容を削除した状態)であれば温度が範囲外になれば考慮対象外となります(off)。

'ex'列のすべてのセルの内容を変更したい場合はタイトル行(最上行)で'ex'と表示されているセルを左クリック すればon/offが切り替わります。 指定温度がある化合物データの有効温度範囲内かどうかは'No'列に示されている相番号により容易に判定できます。 値が0ならばその化合物のデータは有効温度範囲内にあります、すなわちその温度における安定相のデータが とられています。0より大きい数nならば指定温度は有効温度範囲外であり、もし計算対象に含める場合は n番目の相のデータが外挿されて使われることになります。

ソート出力も参照して下さい。

Stoichiometry シート
全化合物について含まれる元素とそれぞれの化学量論係数が表示されます。

ThermoData シート
指定温度における化合物の熱力学データが表示されます。これらはMALTで表示される熱力学表を直読した値 とは一般に異なっています。これは平衡計算などの熱力学計算では系の基準点は任意にとれることから きています。この詳細はMALTのマニュアルを参照して下さい。

Engine Monitor シート
Engine Monitor シートは平衡点1点の計算結果について以下の詳細な情報を与えます。

Fig.5B  : プラットフォーム / Engine Monitor シート
プラットフォーム / Engine Monitor シートの説明
A Status of convergence
B 計算モード (Gibbs or Helmholtz)
C Projected G
D Chemical Potential
E 系の熱力学量が表示されます。
  • H1,H2,Delta-H
    初期状態における系全体のエンタルピーを H1
    計算結果である最終状態における系全体のエンタルピーを H2
    Delta-H = H2-H1
  • Cp-system
    最終状態における系全体の定圧比熱です
    ヘルムホルツモードでは定容比熱が表示されます。
  • Delta-G
    系の最終状態のギブズエネルギーから初期状態のそれを引いた値です。
    ヘルムホルツモードでは Delta-A (Inner Energy) が表示されます。
  • Volume
    ギブズモードでは系の最終状態において気相の占める体積を表示しています。
    ヘルムホルツモードでは系の最終状態における圧力が表示されます。
Eの項目はヘルムホルツモードにおいて分圧設定がなされているときは表示されません。
F このテキストエリアは収束計算の進行具合を示しています。 Round number は行われた内部計算ラウンド数でこれが Number for Too Many Rounds (デフォルトは100)を越えると計算は中断されます。 Round numberの下に出てくる数字は収束の目安として表示していますが、この数字が10のマイナス4乗位に なれば収束します。
G Stop ボタン
このボタンは計算を中断するためのものでStop Engineと同じです。
H 計算ログ
計算途中に発行される情報やメッセージがここにログとして蓄積されます。 連続したCases計算を行う場合途中で中断させないためにいくつかのエラーメッセージもここにログされます。

分圧設定がされている場合は以下のメッセージが表示されます。
Partial Pressure of (化合物名) is fixed at xxxx (atm).

この分圧設定値が達成されなかった場合は以下のようになります。
*Failed : Partial Pressure of (化合物名) is fixed at xxxx (atm).

水溶液種を含む計算で溶媒であるH2Oが失われていて無意味な計算である場合は
Error: Because of zero amount of Solvent, numerical results are not valid

溶質が溶媒に比べ多すぎる場合は
Warning: Solute concentrations in Aqueous Solution are too high.
のメッセージが出力されます。

Molality設定がされている場合は以下のメッセージが表示されます。
Molality of(水溶液種化合物名)is fixed at xxxx (mol/kg)

このMolality設定値が達成されなかった場合は以下のようになります。
Failed : Molality of(水溶液種化合物名)is fixed at xxxx (mol/kg)

結果のActivityが設定値と一致していても、実際は溶媒であるH2Oが失われていて無意味な計算である場合もあります。
そのような時は上記Failedメッセージに続けてSolvent was missingと表示されます。

この他のメッセージについてはエラーメッセージリファレンスを参照して下さい。

全Casesに対する連続計算(Run)を行った場合はEngine Monitor シートに表示される項目はメインフォームの Monitorシートで見ることができます。